Onlineで勉強会
私たちCIA Inc.では、定期的に社内外の協力者を招き、勉強会を開催しています。今回は、2019年にパートナーシップを結んだCIA Bootleg Manillaのメンバーとオンラインで開催した勉強会の内容をお伝えしたいと思います。
CIA Bootleg Manillaとは
CIA Bootleg Manilla(以下、CIA マニラ)はフィリピンを拠点に活動するブランドエージェンシーです。彼らの特徴は、核となるメンバーがマニラの大学で教鞭をとる教育者や科学者という点にあります。アカデミックなフィールドで活躍するプロフェッショナルが集まって、クリエイティブを実践しています。勉強会開催にあたり、共通で使えるビデオ会議用の背景も用意されて準備万端。
さて、ここからは、勉強会の内容をご紹介します。


CIA Bootleg Manillaの流儀
CIA マニラ:私たちはクライアントに、「御社をよりクリエイティブでイノベーティブにする文化醸成のお手伝いをします」と伝えています。では、どうように実践しているのか?
私たちの専門はブランドDNAからブランド戦略を立案し、企業文化を変革するお手伝いをすることです。定義された戦略を核にして、クライアントのインサイトやアイデアをサポートしながら企業にまつわるあらゆる場所・コト・ヒトへ反映させて行きます。
これらは4つの支援に分類できます。
- 教育やトレーニングを通して、企業文化の変革を実施できるようにする支援
- 市場、顧客、競合他社を研究し、潜在的なニーズを理解できるようにする支援
- お客様との絆を深めるためのコミュニケーションを実施できるようにする支援
- 事業を円滑に回すためのオペレーション、サプライチェーン改善の支援
4つすべてを行うことで、クライアントのブランド成長に貢献しています。


アプローチ
CIA マニラ: 私たちはマニラで行っているオリジナルのプロセスと、CIAのプロセスを組み合わせたメソッドと活用しています。プロジェクトがあるたびに、私たちはまずクライアントの世界と、クライアントの世界の外にあるすべてのものを理解することから始めます。そのために、業界のグローバルトレンドや競合他社を研究することも含まれます。
デジタル人類学の観点から、オンラインで何が起こっているかをチェックし、専門家に話を聞く。これは非常にCIA的なアプローチで、さまざまな分野の専門家を招きます。もちろん心理学者もクライアントにインタビューを行い、お客様の世界を理解するのです。
次に、お客様の内面的な部分に目を向けます。例えば、上島珈琲の歴史を見て、過去に何があったのか、ブランド、現在の顧客体験、内部事情などを把握するのです。それができてから、戦略を練るのです。
では、何を核に戦略化するのか。もちろん、それはブランドのDNAです。外部を理解し、内部を理解することで、ブランドのDNAを作り上げることができます。そして、ブランドが果すべき約束は何か?顧客は誰か?ブランドの個性は何か?ブランドの価値は何か?ブランドの感情は何か?そしてミッションは何かを具体的に考えていきます。
しかし、それはあくまで約束に過ぎません。ブランド戦略を現実のものとするために、ブランド戦略を顧客体験に変換する必要があります。新しい製品、サービス、コミュニケーション方法、マーケティングプランなど、あらゆるものを実現します。これが、私たちがこの後に行うことです。

Case Study :SPOHIA JEWELY
次にケーススタディとしてソフィア・ジュエリーの事例をご紹介します。
ソフィア・ジュエリーは、フィリピンで30~40年の歴史を持つジュエリー会社で、30店舗を展開しています。リブランディングするまでは、長い歴史の印象から脱却できず、古いイメージを持たれるブランドでした。
私たちは、第一フェーズで、ソフィアのブランドのDNAに何があるのか?を調べると同時にジュエリーの専門家に話を聞き、海外の成功事例を調べました。また、女性へのインタビューと共にセルフケアや女性の健康についても研究し、理解に努めました。
成功事例の調査では、CIA Inc.(東京)ともコラボレーションをしました。特に日本の若い女性に人気のジュエリーブランドが、WebサイトやECで、どのそうな訴求を行なっているのかの事例や、プロダクトのコンセプトとして、母と子供でお揃いでつけられるジュエリー、誕生石のチャームがあることが参考になりました。
その後、第2フェーズで私たちはブランドのDNAを作り始めたのです。では、ソフィアの新しいブランドDNAとは何だったのでしょうか?
私たちは、ソフィアはセルフケアという観点から、女性のストーリーにつなげる必要があると言いました。つまり、「ソフィア、あなたの旅の一部、あなたの物語」というDNAです。つまり、ジュエリーは女性のストーリーの一部なのです。そして、あなたの特別なイベントや人間関係を尊重するようなジュエリーを作ることが約束であり、それがその人のストーリーであると設定しました。
そして、ブランドの哲学として、ソフィアでは、ジュエリーやオブジェには深い意味があると信じています。また、自己愛やジュエリーが人間関係を育む力も信じています。そして最後に、人のストーリーを尊重することが必要だと考えています。
それが、私たちの哲学です。そして、「Sophiaは、あなた、あなたの人間関係、あなたのストーリーを尊重する意味のあるジュエリーをつくります」という新しいミッションが生まれました。そして、新しいDNAは古いロゴには合わないので、デザインパートナーと一緒に新しいロゴを作りました。
そこで生まれた新しいキャッチフレーズは「Honor Your Story」です。ロゴでは、曲線があったりするので、ダイヤモンドと物語の続きがあることがわかると思います。また、新しいカラーパレットも作りました。これは、昔の色からインスピレーションを受けつつも、よりモダンなものに仕上げています。そして、それをもとにパッケージをデザインしました。
製品の体験ストーリーを作り上げました。ソフィアのDNAから、6つの新しいサブブランドを作りました。
- 1つ目は”Spark(スパーク」”です。スパークは、日常的に身につけるためのミニマムなジュエリーです。高価なジュエリーでありながら、とてもシンプルでミニマルなデザインです。
- 2つ目は、”One(ワン)”を作りました。Oneはエンゲージリングとマリッジリングのためのものです。つまり、カップルのためのものです。
- 3つ目は、"Pinay(ピナイ) "を作りました。Pinayはフィリピン人女性のことで、フィリピンの伝統を尊重するためのジュエリーです。
- 4つ目、"Hija(イハ) "はスペイン語で娘という意味なので、子供たちのためのジュエリーです。
- 5つ目は”Imprints(インプリンツ)”、これは特別な日を祝うためのジュエリーです。
- 最後にセルフケアにつながるジュエリーが欲しいという声から、「Affirmations(アファメーション)」という、「Be blessed(祝福されなさい)」のようなインスピレーションを与えるメッセージの入ったジュエリーを作りました。
「スパーク」「ワン」「ピナイ」「イハ」「インプリンツ」、そして「アファメーション」が、SOFIAというブランドを象徴しています。
現在は実行のフェーズです。大型店舗、キオスク、マーチャンダイジング、ウェブサイト、ユニフォームなど、すべてのテンプレートを提供しました。これがソフィアのケーススタディです。

CIA Bootleg Manilaの使命
最後にCIA マニラの使命は何かを共有します。私たちは人々や組織が創造的で革新的になることを支援することが使命であり、そこに向かって専念しています。
パンデミックの影響により、そのスピードは落ちてしまいましたが、私たちはASEAN地域におけるCIAとのパートナーシップを強化し、多様なコラボレーションを生むことを期待しています。